アダルト・ヴァイオリン May the force be with you..

2010年12月19日

Stradivariの内型

Filed under: Gモデル,バイオリン製作 — い~ぐる @ 12:54 AM

Gモールドを使うかどうか、散々悩んでいたが、やはり、PGにすべきと決断した。

その理由は、ストラディバリ博物館のモールドの写真にあった。

リンク先の写真で、PGとPのモールドは使い込まれた感があるけれど、
Gモールドはあまり使った感じがない。

これって、StradivariはGモールドの楽器はあまり作らなかった、もしくは、作っても気に入らなかったということではないかと思う。

PGはかなり頻繁に使われていた様子があるので、PGをベースに楽器を作るほうがよさそうだ。

Gの標準を外れた大きさは、A0モード、A1モードともに大きくずれた値となるので、バイオリンとしてはいかがなものかと・・(笑)

オールドイタリアンバイオリンの共鳴モードの値は、Joseph Curtinの論文に表が出ているけれど、黄金期のストラディバリやグァルネリはそれぞれほぼ一定の値となっている。

A0,A1モードは箱を作ると形状だけで決まってしまうので、B1モードを板圧を変更して調整することで音を変化させるというのが彼らの理屈。

倍音を調整するFry教授のやり方(Cremona Violins: A Physicist\’s Quest for Secrets of Stradivari)と合わせて、使うことで、いい感じになりそうな気がするではないか(笑)

2010年12月18日

楽器の本を借りる

Filed under: ヴァイオリンの本 — い~ぐる @ 9:38 PM

職場の図書館から3冊の本を借りてきた。

ヴァイオリン演奏のコツ

プリズムペーパーバックス No.010 シタールのほん インド音楽であそぼう!

ヴァイオリンの銘器 (Music gallery (4))

2010年12月17日

バイオリンハンター タリシオ

Filed under: ヴァイオリンの本 — い~ぐる @ 4:32 AM

日本語版をずいぶん前に図書館で読んだので記憶が薄いけれど、
到着した英語版Violin Hunter: Luigi Tarisio

を見たら、日本語版にはなかった(と思う)
バイオリンの写真や挿絵が豊富に入っていて驚いた。

話の内容は変わらなくても、この違いってなんだろう?
和訳のときに編集者が不要と判断したのかな?
実は写真があったのに記憶にないだけ?(笑)

バイオリンの外から中を削る

Filed under: バイオリン製作(VSX) — い~ぐる @ 4:28 AM

コマや魂柱のように最初から調整を考えてあるものはいいけれど、
完成したバイオリンを、完成した後で大きな調整をするのは難しい。

Fry教授は、F穴から板を削る道具を作っているので、
ダイソーのマドラーを改造して似たような道具を作っている。

表しか調整しないFry教授と違って、長い方は、裏板を削るためのもの。
私は、Fry教授のポイントに加えて、裏板の2箇所と、ネックを調整箇所と考えている。
1900円で買ったVSXのように最初から全体にバランスが悪いやつは、
この程度では調整しきれるものではないけれど、エッジを外から削った後、
中から要所要所を削ると、少しよい感じになってくる。

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2010年12月15日

クリスマス前(笑)プレゼントにバイオリンの本

Filed under: バイオリンの本,バイオリン練習 — い~ぐる @ 8:17 PM

今日、偶然にも3冊の本が届いた。

シルバーマンのバイオリンハンター タリシオは、クレモナの名器を探し回った男の記録で、シルバーマンの言葉によるとできるだけの取材をして史実に合わせているとのことなので、クレモナの名器たちが世に知られ始めたころの流れが分かる。
以前、図書館で和訳を読んだけれど、手元においておきたいと思っていた本であり、クリスマス前プレゼントにはぴったり♪
Violin Hunter: Luigi Tarisio

Stradivariは、その名の通り、あのストラディヴァリのことを書いた本だ。
Stradivari (Musical Performance and Reception)
豊富な写真とともに、詳しい解説があって、この一冊でストラディヴァリ通になれること必至の書籍。

最後の一冊、Four Centuries of Violin Making: Fine Instruments from the Sotheby\’s Archiveは、サザビーズの記録した名器のハンドブック。豊富な写真つき(というか、640ページのほとんどが写真で埋まっている)この本をじっくり見ることで、名器とはなんぞやということが分かる(かもしれない 笑)

このところ、せっせと仕事に関係する本たちを職場に運んでいたので、この子達も無事納まるところができた。

神のものは神に、皇帝のものは皇帝にとイエスが言っているではないか、だから、仕事のものは職場に運んだのだった。

クリスマス前だしね。

こんなプレゼントがクリスマス前にきたら、クリスマスには何が来るのだろう?(違・・)

今朝の朝練は、

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2010年12月14日

バイオリン音色の絶妙なバランス

Filed under: ヴァイオリンの本,バイオリン製作(kity) — い~ぐる @ 8:42 PM

Fry教授は、下記の本において、
Cremona Violins: A Physicist\'s Quest for Secrets of Stradivari
バイオリンを完成した状態から調整しないと良い音は出せないといっている。
彼は物理学者らしく、振動モードを3つに分解して考え、そのうちの1つを抑制することで、ストラディバリの音色が得られると考えている。
その中で、彼は表板に重点をおいて解析的に考えて、それに従って調整することで、音色の改善ができるとしている。

振動する部分は表板だけではないけれど、音の輻射という意味では表板が最大のポイントであることは間違いない。

ただ、横田さんのHPにもあるが、それ以外の要素も大きく影響するだろう。実際、いくつかの楽器をいろいろと削って音色を試してきた限り、表板以外にも大きく音の変化するところというのは確かにある。
ただ、これらの変化は微妙で、少し変えるとバランスが崩れたりする。

ストラディバリの時代、バロックバイオリンだった楽器たちが修正されて現代的になったとすると、ストラディバリが完成後に調整した内容はずれているはず。
つまり、現在評価の高いストラディヴァリウスたちは、モダナイズされる前のバランスと明らかに違うはずで、その評価されている音色は、ストラディヴァリが狙ったものだったのだろうかという疑問がある。

自分の楽器は、この微妙なバランスをいろいろと試しながら、あちこち削ったりしているけれど、今朝も、少し調整して録音してみた。

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音色は、微妙なバランスの元に構築されているので、少し板やネックを削ると音が変わる。
で、どこに評価ポイントを置くべきかというのも、いつもながら問題だけれど、Fry教授の評価ポイントを参考にとりあえず調整中。

オリジナル名器の響き~ストラディvsアマティにせまれるか?(笑)

ところで、ハイフェッツの103枚組CDセットってどうでしょう。。。(欲しいかも?と思うけど、聴く暇がないような)

The Complete Album Collection

2010年12月13日

10万円のグァルネリ本

Filed under: ヴァイオリンの本,バイオリン製作 — い~ぐる @ 8:37 PM

横田さんのところで、昨日見せていただいたグァルネリ本、彼は16万円で買ったと言っていましたが、もしやと思って、アマゾンで検索するとありました。
Giuseppe Guarneri del Gesu
円高なので、今なら10万円強(!)。
しかし、さすがに10万円は、ちょっとと思う人も多いかもしれない(というか私も出せません)
それに比べると、こちらのストラディヴァリ本は、350ページもあって、お値段7分の1のお買い得(?笑)

Stradivari (Musical Performance and Reception)

ところで、ストラディヴァリのBettsのデータがないかと探していたら、アメリカの国会図書館のサイトがしっかりとした資料をデジタルライブラリとしてそろえているのを発見した。時間帯によっては日本からのアクセスができないときもあるのか、つながらないときもあるが、さすがアメリカの図書館。完全にオープンにデータを出してくれている。
同じサイトに、アマティもグァルネルも出ていて、これら5本のバイオリンを弾き比べる動画まである。シャコンヌの同じフレーズを5台のバイオリンを次々に切り替えながら音のチェックをするような動画なので、一見(一聴?)の価値ありかと・・

2010年12月12日

自由ヶ丘ヴァイオリンに行ってきました。

Filed under: バイオリンの本,バイオリン製作 — い~ぐる @ 9:12 PM

今日は、予定を変更して、自由ヶ丘ヴァイオリンに話を聞きに行きました。
詳しい話はここには書けませんが、長時間に渡り、豊富な資料を見せていただき、貴重なお話をうかがってきました。
18世紀のレオポルド・モーツァルトのバイオリン奏法に、すでに、当時の製作者が
「彼らは、高さ、厚さ等々を全て目で決め、一定の原理を決して得ようとはしません」
と書いているけれど、横田さんは、しっかりとデータを取って、一定の原理を得ようと努力しているので、18世紀の製作者よりも確実に真理に近づくことでしょう。

最後に、私が持ち込んでいた楽器を見ていただきました。
これは、鈴木楽器のキット「SUZUKI 手作りバイオリンキット」を音を聞きながら外から削っている楽器。

ストラディヴァリなどのオールド楽器と、完成後に音の調整のため削っていたというところ(だけ?)が共通している(笑)

横田さん、長時間に渡り、どうもありがとうございました。

その後、ヤマハの渋谷店の閉店セールに行って本を2冊買いました。
ヴァイオリンの奥義 ジュールブーシュリ回想録1877⇒1962
CDでわかる ヴァイオリンの名器と名曲

残念ながら後者は出版社の関係で、割引にはならないそうな・・

2010年12月9日

SacconiとStradivariのGパターン

Filed under: Gモデル,バイオリン練習 — い~ぐる @ 8:20 PM

Sacconiの本のG型はおかしいんじゃないかという議論がネット上であったので、別のところからStradivariのG型をベースとした型の画像を取り出し、例によってサイズを調整してモールドテンプレートを作って比較してみた。

Sacconiの本から取ったパターンを下においているけれど、アッパーもロアバウツもかなり太めなのがSacconiのパターン。これだけ違えば音も違うだろうね。

前にも書いたけれど、そもそも、StradivariのGパターンは非常に大きい。モールドだけで354mmなのでバイオリンに仕上げると、362mmの巨大バイオリンになる。
Gパターンの楽器ってそもそもどれだけ残っているのだろう?
SoilがGとか、CremoneseがGとかう情報もあるけれど、これらが、こんなに巨大だとは思えないので、PGという他の情報の方が信頼できる気もする。

とまぁ、議論もいろいろあるけれど、今日は、アリゾナから、↓なものが届いたので、週末は板を削るか・・・(笑)

今朝の朝練の録音は↓

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2010年12月8日

ウィング(F穴の外側)の割れを補修

いろいろやっている間にウィングに割れが起きていたので、膠で補修した。
細いドライバーで角度をあわせ、魂柱を使って、F穴側から一晩押し付けておく。

右側のウィングはバイオリンの高音域の音色に決定的な影響を持つので、仕上げは慎重に。
ウィングの厚さの制御は材によって違うので、完成後しかできないので、Fry教授は、例の本Cremona Violins: A Physicist\’s Quest for Secrets of Stradivariの中では、完成後のバイオリンのウィングの厚さを調整する道具を作っている。
ウィングについて調べていたら、自由が丘ヴァイオリンのサイトでオールドバイオリンのウィングの調整についての記事を見付けた。

ついでながら、同じサイトのブログに、東京都交響楽団の菅沼さんの子供のころに使った1/16のバイオリンの記事がでていた。

自由が丘なら神奈川からはそれほど遠くはないし、一度話を聞きに行きたいですね。

ウィングの補修を終えたkityの音だしをしておく。

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