私の愛器eagleはキットから作成したものであることは、以前、このブログに書いている。
このところ、クレモナのバイオリン製作家の菊田氏のブログにお邪魔することが多く、氏の美しいバイオリンの造形に刺激を受ける日々であった。
ところで、季節は芸術の春である(なんのこっちゃ)
練習のため、早めに家路についた私の元に、一つの箱が送られてきた。
ん?何だろう・・
開けてみると、美しい(とはいいがたいが)fのくっきりと浮き出した板が見える。
(画像を右クリックして、画像を表示とすると、縮小していない元画像が見えます)
ぉお~!!これは、もしや、6800円のスズキものつくり教室のバイオリンキットではないか???
誰がこんなものを???
(って、バレバレだが、前に書いたように、バイオリン製作の練習として、StewartMacdonaldのキットを作る前にもう一度前に失敗したところをおさらいする必要を感じていたのだ。陳氏の本にも、数をこなすことが重要だと書いてあったではないか。・・・って、お前は専業じゃないだろぅ・・・)
恐る恐る、箱を開け、楽器の裏を見てみる。
なんと、このキット、裏の楓には杢がくっきりと出ているではないか?
表も裏もパーフリングは・・・素人加工である・・・(折れたままの私の加工よりは数段きれいだが)
これは、教育用キットであり、子供たちが作ったりするのであるが、ペグや駒はどうなっているかと、キットの小袋を開けてみる。
ぉお、ちゃんとペグは調整済みで、どの弦ようのペグなのかがシールで張ってある!駒も、削りはされており、そのまま装着しても使えそうである。ベルの部分をもう少し削り込めば、ちゃんと使えそうだ。
試しに、ペグをヘッドにつけてみたけれど、どこかのキットのように力任せに回しても回らないなんてことはなく、普通に使える状態に調整済みであった。が、ペグの端は反対側から頭を出さないものもあったりと、使えりゃいい状態である。まぁ、どこかのキットのように「絶対使えねぇぜ」状態ではないのは、ポイントとしては大きい。
使えりゃいい精神は、このキット、全てにいきわたっており、スクロールや糸巻き溝の加工も、その崇高なる精神と系譜ときちんと継承しているのである。
穴という穴にはバリが残っており、糸巻き溝の底は無残なノミの後がある。が、だからといって、使えないものではないのは、確かだ。スクレイパーやヤスリできれいにし甲斐があるというものだ。
エンドピンから中をのぞいてみよう
トップブロックやボトムブロックはどこかのキットと違い裏板にしっかり接着されていそうである。サウンドポストもちゃんとまっすぐ立っている(当たり前か)。
ただし、リブのライニングは分厚いテープ状態であり、未加工だし、良く見るとネック付近の左側はライニングが届いていなかったりする。
とまぁ、色々あるけれども、6800円のキットにしては、かなり遊びでがありそうである。
今後の計画であるが、まずは、お約束の乾燥期間を置いてから、その後の処理を検討することになるのである。
裏板の接着はニカワのように見えるのだが、表板の接着はどう見てもタイトボンドであり、逆だろう普通!と思いながらも、タイトボンドをどうやって剥がしてやろうかと、乾燥期間の間に検討する予定である。
さて、名前がないままでは、知的レベルが上がらないのは、この世界の常識なので(って、どの世界なのだ?)、名を与えよう。
ではあなたに名前をあげます。
そなたは、「オーマ」、じゃなくって(笑)、
KITY KITE
こちらでは、はじめまして、かもしれません。
なんだか、私のブログで沢山お話してしまったので、そういう気がしないのですが。
リンクをありがとうございました。
さて、さて、とても面白いものを手に入れましたね。
興味津々です。
この内容で6800円とは、バイオリン製作者としては信じられない、というか、信じたくない気もしますが、本当に良くできていますね。
弓も付いているのですね。
どんな音が出るのか、マジで興味があります。
でも、これを一旦ばらして、厚さを調整しようというけいさんもすごいですね。
研究結果を楽しみにお待ちしています。
M社のフラットマンドリンとバイオリンそしてこのキットと、沢山ありますね。
でも楽しそう、、、。
キットって、部品を眺めているだけでも面白いですね。
つい買ってしまうけいさんの心境、良く分かります。
では、これからもよろしくお願いします。
コメント by 菊田 — 2006年2月25日 @ 4:04 PM
菊田さん、コメントありがとうございます。
こちらこそ、リンクありがとうございました。
0から自分で作るのは、加工技術も忍耐力も工具もない私には難しいのですが、キットなら・・・でも、M社のマンドリンキットにはやられました(笑)
ようやく、マイクを入手し、早速、このキットの音を録音してみましたが、MP3にして再生すると今一つ自分で弾いている時の音のイメージと違うのですよね。ちょうど、私が今日のブログを作成している最中にコメントいただいたので、前後しましたが、ぜひお聞きください。(使っている弓はエレキバイオリンのおまけなのと、私の技能不足のため楽器本来の音は出てないと思いますが)
やはり、6800円のキットは相当手抜きのところが多く、左右のfの位置が違うとか、パーフリングのエッジ処理が左右で違うとか、造形的には結構無残です。
それでも、主要部分の材料が本物であるというのは、値段の割りに画期的だと思っています。(指板を含め、パーツは黒塗り楓なのですが)
このキット、弓と松脂と、組み立て説明書の後ろに簡単な教本と楽譜まで付いていて、音楽に興味を持った子供たちが、自分で組み立ててみるには価格も手ごろだし、ちょうどよいくらいかもしれません。
板厚と駒の調整でどこまで音が改善するか、私自身、結構興味を持っていますが、すぐにどうこうできるものではないので、長期戦で取り組む予定です(^^;。
こちらこそ、これからも是非よろしくお願いします。
コメント by い〜ぐる — 2006年2月25日 @ 5:03 PM