アダルト・ヴァイオリン May the force be with you..

2005年12月7日

国債残高と発行総額

Filed under: Weblog — @ 9:42 AM

新規国債の発行額の30兆円という昔の公約が未だに達成されていないのであるが、ここにきて、長期金利の上昇を懸念してメガバンクが国債保有を大きく減らそうとしているらしい。
国債というと、新規国債発行額に目が行く人が多いのであるが、実は、借換え債を含めた国債発行総額が財政再建を考えるときに大きな問題となる。
というのは、国債を発行するときにはその時々の市場金利に合わせて金利を設定しないと国債を買う人がいなくなるので、新規・借り換えを問わず発行する国債の金利は市場金利に連動せざるを得ないのである。

2005年度の発行総額は170兆円程度であるが、もし、金利が5%であったとすると、この発行分だけで、金利負担は8.5兆円にものぼる。翌年以降も同等の国債発行が行われるとして、5年~10年後には、国債残高の5%の金利負担を強いられる。
地方や財投などを除いても、国債残高は540兆円程度あるので、この5%というと27兆円が金利負担として発生するのである。(多分5~10年後には残高自体大幅に増えているのは間違いないのであるが・・)

税収は景気拡大を受けて伸びが期待できるとしても、2005年見通しで44兆円である。
一般会計予算は82兆となっているので、この金利負担がいかに重いかが分かる。

政府が必死になって金利上昇を抑えつつ、大幅に増税しようというのは、こういった単純な理由がある。

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