アダルト・ヴァイオリン May the force be with you..

2010年12月29日

バスバーの音響重心と魂柱の関係

弓でバイオリンを弾いた時に、駒は水平方向に力がかかり、表板はG線側とE線側で逆方向に駆動される。

表板をひねるこの振動モードをFry教授はロッキングモードと呼んで、このモードが音響的に悪影響を出すとしている。

ロッキングモードでは、空気を押す方向が楽器の左右で逆相となるので、少し離れたところでは、音波が相殺されて、振動が届きにくい。

そこで、Fry教授はロッキングモードを押さえるような板厚分布とするために、表板を裏から削っている。

彼の理論は理論として、ロッキングモードを抑止する方法をもう少し考えると、魂柱とバスバーの関係から何か出来るのではないかと思いついた。

表板は、E線側では、魂柱を中心としたシーソー運動をするので、G線側のシーソー運動の支点を駒よりも上に持って行くと、支点を中心に駆動方向が逆相になるので、結果として表板を同相で駆動できるはず。

D線を弾く時に、この理論の効果を、もっとはっきりさせるには、バスバーを止めて、G線側の駒より上に魂柱を立てると良さそうだ。ただ、そうすると、駒の縦方向の駆動に対して逆相運動が発生してしまい、縦方向の成分の多いG線を弾く時に好ましくない。

バスバーの機能として、剛性向上の話は色々な本に出ているけれど、上の音響重心によるロッキングモード回避の話は見たことがないので、新理論発見か?(笑)

D線、G線が残念な音のアンダ君のバスバーをF穴から少し削ってみたが、軽く弾いた限り、方向としてよい方になったような気がするけれど、夜中なので大きな音を出す訳にはいかず、確認は後日ということで。。

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