アダルト・ヴァイオリン May the force be with you..

2010年12月14日

バイオリン音色の絶妙なバランス

Filed under: ヴァイオリンの本,バイオリン製作(kity) — い~ぐる @ 8:42 PM

Fry教授は、下記の本において、
Cremona Violins: A Physicist\'s Quest for Secrets of Stradivari
バイオリンを完成した状態から調整しないと良い音は出せないといっている。
彼は物理学者らしく、振動モードを3つに分解して考え、そのうちの1つを抑制することで、ストラディバリの音色が得られると考えている。
その中で、彼は表板に重点をおいて解析的に考えて、それに従って調整することで、音色の改善ができるとしている。

振動する部分は表板だけではないけれど、音の輻射という意味では表板が最大のポイントであることは間違いない。

ただ、横田さんのHPにもあるが、それ以外の要素も大きく影響するだろう。実際、いくつかの楽器をいろいろと削って音色を試してきた限り、表板以外にも大きく音の変化するところというのは確かにある。
ただ、これらの変化は微妙で、少し変えるとバランスが崩れたりする。

ストラディバリの時代、バロックバイオリンだった楽器たちが修正されて現代的になったとすると、ストラディバリが完成後に調整した内容はずれているはず。
つまり、現在評価の高いストラディヴァリウスたちは、モダナイズされる前のバランスと明らかに違うはずで、その評価されている音色は、ストラディヴァリが狙ったものだったのだろうかという疑問がある。

自分の楽器は、この微妙なバランスをいろいろと試しながら、あちこち削ったりしているけれど、今朝も、少し調整して録音してみた。

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音色は、微妙なバランスの元に構築されているので、少し板やネックを削ると音が変わる。
で、どこに評価ポイントを置くべきかというのも、いつもながら問題だけれど、Fry教授の評価ポイントを参考にとりあえず調整中。

オリジナル名器の響き~ストラディvsアマティにせまれるか?(笑)

ところで、ハイフェッツの103枚組CDセットってどうでしょう。。。(欲しいかも?と思うけど、聴く暇がないような)

The Complete Album Collection

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