アダルト・ヴァイオリン May the force be with you..

2010年3月17日

Fry教授がやらなかったこと

Filed under: バイオリン製作,ピアノ — い~ぐる @ 11:21 PM

Fry教授は、バイオリンの音色を調整するのに、非常に合理的な方法を取っている。DVDでは、彼が調整をしていたのは、

  1. 高音のレベル調整のため、E線側のF字の外側、アッパーコーナーのあたり
  2. ロッキングモード調整のため、アッパーバウツ中央付近、バスバーの隣
  3. バスバー自身

などであった。これらは、音響輻射の大きな部分ということと、特定の振動モードの調整のためだ。
ただ、バイオリンは複雑系であり、これらだけが音に影響を与える訳ではないだろう。自分で、いくつかのバイオリンを削ってきた経験から、G線のコーナー付近の板厚もかなり影響が大きいことが分かっている。

そこで、夕べ、コーナー部分を少し削っておいたので、今朝の朝練で、またまた確認。

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もう少し、E線アッパーコーナーに硬さがあってもいいような気がしたので、もう一度ホウ酸を塗っておく。
削りによる弾性の変化と、質量の変化が音に影響するのだろうから、軽く、弾性が強い材質にするのに、ホウ酸処理は、お手軽である。


図書館から借りていた本、スタインウェイピアノができるまでを読み終わった。
88Keys スタインウェイピアノができるまで
検索からこの本が図書館にあることは分かっていて、分類番号から書棚まで調べて探したのに、見つけるのが難しかった。というのは、この本、大型本であり、分類番号で書かれている場所と異なる大型本コーナーに移動されていたからだ。

本の形といい、イラストといい、絵本かなと思うほどのものだけれど、内容はかなり読み応えのある本である。スタインウェイ直系の子孫である著者が、丁寧な取材を元にピアノの製作過程を、木材の選択の方法や切り出し方法から、仕上げや手入れにいたるまでしっかりと書かれている。

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