時は2004年10月某日
トライアルのレッスン日である。
「エレキバイオリンって使ったことないんですけど」と自信無げな先生。
実物を見て、弓も弦も駒も普通のバイオリンと変わらないことに安心したようだ。
「持ち方、構え方からほとんど分からないんです」と、私。
まずは、肩当の付け方、バイオリンの構え方を教わり、
「それではエー線の開放弦をダウンで」
エー線??A線のことか? ???ダウン??? って何だ??
てな調子で全く言葉がかみ合わない。
結局、弦はドイツ語読みで読むらしいとか、アップ・ダウンというのは弓の方向だという基礎ともいえないほどの基礎から教わることになった。
まずは、音階の練習である。ドレミファを2オクターブ各音を全弓で弾いて、上のドからまた下がるのであるが、下がるときには開放弦を使わず、4の指で弦を押さえるのである。
たかが音階であるが、これが難しい。特に下がるとき、基準音が全くないまま下がっていくと、いつの間にやら音がずれてしまい、最初の音とは全然違うところにたどり着く。
これは、ソートー練習がいりマスね。
「教本は何を使っていますか?」という先生の質問に先日買った「バイオリンソロ名曲集」を見せる私。(それは、教本じゃないだろう~という突っ込みが入りそう そもそも、教本を使っていたらアップ・ダウンも分からないことはないか 笑)
「今やっているのは、これです」とボッチェリーネのメヌエットのページを開き、促されるまま、弾いてみる。
「あ、結構弾けていますね~、それでは、弓を・・・」と、Πとか∨とかを楽譜に書き入れる先生。
「え~っと、その記号はなんですか?」と私
スラーにスタッカートが付くって?? 訳が分からないぞ~
と、こんな調子で一時間はあっという間に過ぎ去っていくのであった。
トライアルだったが、何となく流れで継続して教わることになった。
「教本があったほうがいいですね、私が買ってきましょうか」
と、先生に教本を買ってきてもらうことになった。
先生が指定した教本はSevcikというやつで、どうやらドイツものらしい。
というか、出版社はイギリスなんだけど、なぜか前書きはドイツ語である。

Sevcik: Violin Studies Opus (Violin)
- 作者:
- 出版社/メーカー: Music Sales Corporation
- 発売日: 2001/01
- メディア: ペーパーバック