エレキバイオリンroseが到着し、さて、演奏という段になり、楽器も弓も持ち方すら分からないことに気がつく(遅)
しかし、それはそれ、現代はインターネットという強い味方があり、検索すればバイオリンの弾き方くらい出てくるだろうと、(いつものように)楽観していた。
ピック弾くか弓で引掻くかの違いはあるにせよ、所詮は弦楽器である。弦長の半分の位置を押さえれば1オクターブ上の音が出るという原理はギターもマンドリンもバイオリンも同じである。
その上、マンドリンとバイオリンは音域も弦のチューニングも同じなので、簡単にスタートが切れるはずであった。
とりあえず、まずは、チューニングをしなくてはならない。
ここで、大きな壁があった。
何しろバイオリンの糸巻き(ペグ)ときたらとことん原始的である。
はっきり言って、ただの棒である。エレキギターでシャーラーだのグローバーだのと言ってペグの使い心地を云々している世界とはまるで別世界なのだ。
このペグをペグボックスの穴に突っ込んで、「摩擦」で弦を止めるのである。
ギヤもなにもないので、ペグの一回転は正確に弦を一巻きするのであるが、そもそも摩擦で戻らないようにペグを穴に押し込むとペグはほとんど回らないし、かといって、ペグが回るほどゆるくすると弦を張って手を離したとたんにクルっとペグは弦とともに巻き戻ってしまう。
さらに、この1:1の細かな調整が利きにくいペグを使って、正確に開放弦の音程をあわせるという試練が待つのであった。
今、振り返ると、このとき、ペグの穴に石鹸か黒鉛ですべりを良くしておく処置をしていれば、あんなに苦労はしなかったのかもしれない。だが、そんなことは初めて手にしたバイオリンを前に知る由もなかった。
8月は死ぬほど忙しく、バイオリンを買っただけで終わり、時は2004年9月に入っていた。