ちょっと前に我が家のオーディオアンプは真空管アンプであると書いたのだけど、昔から回路設計は好きで色々と試してみたい回路はたくさんある。真空管アンプの良いところは回路がシンプルで作りやすいという点である。
それに比べ、トランジスタのアンプはどうも回路が複雑なものが多い気がする。
もっとシンプルに作ってもいいんじゃないのという思いが昔からあり、シンプルさを追求したトランジスタアンプを作りたいなぁと考えている。
パワーを求めるのでなければ、全体にずっとシンプルになるはずなのであるが、シンプルさと同時に真空管と同じような回路構成としたらどうなるのかも興味がある。
一時期、真空管関連の部品は全く入手が困難な時期があったが、このところ真空管が再度ブームになって部品も入手しやすくなっているらしい。
そこで、今、試してみたいと考えているのが、真空管の出力トランスを使ったMOS FETアンプである。というのも、MOS FETには電源電圧をかなり高くできるものがあり、真空管と特性上良く似ているからである。
たとえば、オーディオ用のMOS FET 2SK2203などを見ると、ドレイン・ソース耐圧が180Vもある。ドレイン電流は1A程度であるが、ドレイン損失は25Wしかないので、180Vに1Aなんて流したらあっという間に昇天するので、100mA程度に抑え、ハイインピーダンスな出力トランスを使って駆動するとちょうど良さそうなのである。
入力はラインレベルをそのまま突っ込めば十分だろうから、トランジスタのエミッタフォロア程度にして、片チャンネル二石のアンプなら簡単に設計・製作可能かな。